TEL.042-568-0634

開館時間
10:00〜21:00
休館日
第3月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休館日

2021年05月

20210528

Re 万葉集と山野草 ~さくら~

今年は一人、けやき館のとなりのサッカーグランドに咲く桜を見ながらお弁当を食べました。

「サクラ」の語源には日本神話に登場する木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)の呼び名に由来するという説、「美しく咲く」という意味の「咲麗(さきうら)」からきたなど諸説あるそうです。

今回の展示ではこの“桜”を介した相聞歌をご紹介しました。

20210526

Re 万葉集と山野草 ~ねぶ~

ねむの木(ネムノキ)の花は初夏6~7月に開花する、水鳥の産毛のようなふわふわとした淡いピンク色の可愛らしい花です。

この花を詠んだのが、モテモテ大伴家持の年上の友人‘紀郎女’です。

バツイチの紀郎女は、歌の上での恋の駆け引きを家持とするほど気心の知れた仲だったといわれています。

ねんねの ねむの木 眠りの木
そっとゆすった その枝に
遠い昔の 夜(よ)の調べ
ねんねの ねむの木 子守歌

薄紅(うすくれない)の 花の咲く
ねむの木蔭(こかげ)で ふと聞いた
小さなささやき ねむの声
ねんね ねんねと 歌ってた

故里(ふるさと)の夜(よ)の ねむの木は
今日も歌って いるでしょか
あの日の夜(よる)の ささやきを
ねむの木 ねんねの木 子守歌

こちらは美智子上皇后様がお書きになった詩。

千年の時を経て、ねむの木は歌い継がれている・・不思議な感じです。

20210523

Re 万葉集と山野草 ~番外編 小満~

5月21日は二十四節気の小満。

草木枝葉がすくすく育つ頃で初候(節気を約5日で分けた第一のもの)は、『蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)』で孵化した蚕が桑の葉を盛んに食べて成長する時期とのこと。

今では桑畑も見られなくなりましたが、養蚕は古くから日本で行われており、この瑞穂町でも明治以前、箱根ケ崎で90余戸の家で養蚕をしていた記録があります。

たらちねの 母が飼ふ蚕の 繭隠り いぶせくもあるか 妹に逢はずして

 作者不詳 巻十二 二九九一番

(訳)たらちねの母が飼う蚕が繭ごもりするように、妻に逢えないままだと 心がこもってうっとうしい

恋人に会えない鬱鬱とした気持ちを、蚕が繭にこもる様子にたとえたものです。

けやき館の常設展示には養蚕農家の模型なども展示しております。また隣接する耕心館は養蚕をしていた面影を残す建物となっておりますので、緊急事態宣言解除後、このブログを思い出しながらご来館ください。

 

 

 

20210520

Re 万葉集と山野草 ~つきくさ~

以前、当館で講演してくださった気象予報士 佐藤公俊さんが置いていかれた “日本の365日季節の道しるべ” マガジンハウス刊の5月19日の欄には、東風(あゆ)という言葉が紹介されています。

『東風(あゆのかぜ)いたく吹くらし奈呉の海人の釣りする小舟漕ぎ隠る見ゆ』は万葉集の大伴家持の歌。東風とは北陸地方で使われる言葉で初夏から盛夏にかけて吹く東風で海を荒らす風だそうです。

この歌を詠んだ大伴家持の妻が今日紹介する、大伴坂上大嬢です。

 

20210518

Re 万葉集と山野草 ~つぼすみれ・はぎ~

皆様いかがお過ごしですか。今年の関東の梅雨入りは早まりそうですね。

自宅で過ごすお供に『万葉集と山野草』が興味のきっかけになると嬉しいです。

今日は大友田村大嬢の歌をご紹介します。(田村⇒邸があった場所。)

大友田村大嬢の所載歌は全て異母妹の大伴坂上大嬢(前回のブログ姫百合編で紹介した大伴坂上郎女の娘)へ贈ったものらしいです。

年の離れた異母妹が可愛くて仕方なかったということです。

次回は、この愛され妹 ‘大伴坂上大嬢’の歌をご紹介しますね。

 

 

20210516

ブログで紹介 ~ 企画展「身近な昆虫、ここが面白い!」(その3)

みなさん、こんにちは。

梅雨の走りのような天気が多くなってきましたが、いかがお過ごしですか?

本来なら開催しているはずの企画展「身近な昆虫、ここが面白い!」では、瑞穂町周辺に生息している虫たちのなかで、面白くて不思議な生態をもつ昆虫たちにスポットを当てながら、身近にいる昆虫の「知られざる一面」を、パネル・写真・標本・絵本原画などを用いて、幅広く紹介しています。

今回のブログでは、

・「昔懐かしいジャポニカ学習帳の表紙に使われた昆虫写真の歴史」

・「絵本作家の舘野鴻氏が描く昆虫の世界」

について紹介します。

今の子供たちも、むかし子供だった大人たちも、多くの人に使われてきたジャポニカ学習帳。その表紙がオリジナルの昆虫写真で飾られるようになったのは、1978(昭和53)年からです。この年から現在の学習帳に至るまで、表紙の写真を撮影してきたのが、昆虫植物写真家の山口進さんです。NHKのテレビ番組「ダーウィンが来た!」などにも携わってきた方で、学習帳の表紙に使う昆虫写真を「世界特写シリーズ」と題して撮影し、世界各地を巡って活動してきました。今回は、1970年からの学習帳を実物大のパネルにして展示していますので、子供も大人も楽しんで懐かしんでいただけると思います。

 

舘野鴻(ひろし)さんは、大変に細密な画を描く絵本作家で、生物画家でもあります。長年にわたり各地でフィールドワークを積み重ね、2017(平成29)年には絵本『つちはんみょう』で、小学館児童出版文化賞を受賞しました。今回は『つちはんみょう』と『しでむし』を中心に、原画12点をお借りして展示しています。舘野さんは、ご自身のアトリエでも実験的に昆虫を飼育し、その生態も研究しつつ虫たちを描いています。絵本の原画を間近で見られるまたとない機会ですので、主人公の昆虫とそこに描かれたさまざまな動植物の息遣いを感じつつ、繊細で緻密なタッチをご覧いただきたいと思います。

ジャポニカ学習帳の昆虫写真と舘野さんの絵本原画を通して、違った視点から今回の企画展を楽しんでいただけたらと思います。

緊急事態宣言の延長により休館が続いていますが、再開しましたら、みなさんのお越しをお待ちしています。

 

 

20210513

Re 万葉集と山野草 ~ひめゆり~

ユリというとカサブランカのような華やかなイメージがあったのですが、このユリは背丈も30~50センチ。花の直径も数センチという小さな可憐な花。小さくて愛らしいユリということでユリと呼ぶそうです。

 

万葉集ではこの一首のみ所載されています。

この写真では大きそうに見えますが、写真の撮影者曰く、『この写真だと姫百合の可憐さがなかなか分かってもらえないのが残念』とのことです。

姫百合の開花時期は6~7月。山登りの最中に出会えるかもしれませんね。

20210509

ブログで紹介 ~ 企画展「身近な昆虫、ここが面白い!」(その2)

みなさん、こんにちは。

緊急事態宣言が延長されて、けやき館も休館が続いていますが、いかがお過ごしですか?

本来なら開催しているはずの企画展「身近な昆虫、ここが面白い!」では、瑞穂町周辺に生息している虫たちのなかで、面白くて不思議な生態をもつ昆虫たちにスポットを当てながら、身近にいる昆虫の「知られざる一面」を、パネル・写真・標本・絵本原画などを用いて、幅広く紹介しています。

今回のブログでは、「不思議な生態をもつ昆虫」について紹介します。実はこのテーマこそ、企画展でみなさんに一番見ていただきたい‼ と展示担当者としては思っています。不思議な生態の昆虫パネルは全部で7種類あり、今回はそのうちの3つを紹介します。

・イラガセイボウ‥‥‥‥「美しく、刺さないハチ」はどう生きる?

・シンジュキノカワガ‥‥美しき「偶産蛾」

・チャイロスズメバチ‥‥スズメバチの巣を乗っ取るスズメバチ

イラガセイボウは、イラガというガに寄生することから名付けられました。このハチは、毒針を持たず、人を襲いません。メスがイラガの繭の中に卵を産み付け、幼虫はイラガの前蛹を食べて成虫になります。イラガセイボウの体は、青や緑の金属光沢をもっていて、まさに「美しく輝く宝石蜂」なんです。

シンジュキノカワガは、中国南部原産のガで、低気圧や前線などの気候要因で日本に飛来してきます。幼虫の食草がシンジュ(別名ニワウルシ)の葉で、この樹木も外来種です。輝く銀色の前翅と鮮やかな黄色が入る後翅を持ちあわせる美しいガで、文字通り「風と共に来たる大陸産のエキゾチックな姿」をしています。

チャイロスズメバチは、オオスズメバチと比べるとやや小型で、体全体が茶色っぽい色をしています。この女王バチは自ら巣を作らず、モンスズメバチやキイロスズメバチの巣を乗っ取ることで、自らの子孫を残します。その過程も興味深く、チャイロスズメバチの女王が元々巣にいる他の女王バチを殺し、他種の働きバチに自分が生んだ子を育てさせつつ巣を乗っ取ります。その生態は、「戦闘モード全開なギャング蜂」と言っても過言ではありません。

また、このコーナーの標本の展示では、大きさ1㎜ほどのテントウムシを拡大鏡で見てみたり(よく見ると、ちゃんと星が分かります!)、美しく輝く昆虫を集めた「昆虫の宝石箱」も展示しています。

企画展の関連イベントで、5月22日(土)に実施を予定していたギャラリートークは、6月5日(土)に延期となりました。緊急事態宣言が解除されて再び開館となりましたら、みなさんのご来館をお待ちしていますので、是非いらしてください。

 

20210508

Re 万葉集と山野草 ~むらさき・なでしこ~

GWは皆さまどのように過ごされましたか?

けやき館は、4月26日から臨時休館となり5月12日より開館できることを信じて準備を進めてまいりました(資料整理や収蔵物の虫干しなど休館中だからこそやらねばならぬことが結構あるんです 😆 )。

4月3日~5月16日まで予定されていた『万葉集と山野草』も、『30日まで延長しましょう』という太っ腹な(体形はスリムなんですけどね)館長の一言で、12日以降も2週間程度は皆様にご覧いただけると思っておりましたが残念です。

そこで昨年同様、ご来館いただけなかったファン(?)の皆様にブログでご紹介します。

今年の『万葉集と山野草』のテーマは女性が詠んだ山野草です。

笠郎女(かさのいらつめ)・・・数年にわたり、大伴家持に恋の歌を贈り続けた女性。万葉集には29首の歌が所載されているがその全てが家持へ贈られたものです。  :mrgreen: でもでも家持からは2首しか返歌されていないみたいです。笠郎女の歌の才能を引き出すために、家持は敢えて返歌を控えていたと考察する研究者もいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20210501

YouTubeで紙芝居 その4

みなさん、こんにちは。

今年もステイホームのゴールデンウイークになってしまいましたが、こんな時こそ「YouTubeで紙芝居」はいかがですか?

けやき館では、館内の「瑞穂の⺠家」で「古⺠家で楽しむ紙芝居」を開催していますが、第4回目の紙芝居動画をYouTubeにアップロードしました。

今回お送りする作品は、「残堀川の河童」です。

この作品は、町内の箱根ケ崎を舞台にした昔話をもとに作ったものです。紙芝居の絵は、瑞穂中学校美術部の⽣徒さんが描いてくれました。(*^^*)

河童が残堀川を汚した子供たちをこらしめようとしますが、実は河童は‥‥‥

話しの続きは、ぜひYouTube動画をご覧になってください。

紙芝居は当分の間、毎⽉⼀回、YouTubeにアップロードする予定です。

これからも、けやき館がお送りするYouTube版「古⺠家で楽しむ紙芝居」をどうぞお楽しみに!

 

 

2021年05月

2021年05月

2021年05月

2021年05月

2021年05月

2021年05月

2021年05月

2021年05月

2021年05月

2021年05月