2021年04月19日
「ブータンシボリアゲハの再発見」の講演会を開催しました
みなさん、こんにちは。
けやき館では、令和3年度最初で、通算第146回目の温故知新の会を開催しました。演題は「ブータンシボリアゲハの再発見」。実は、この講演は1年前に予定されていましたが、緊急事態宣言のために延期されていました。ようやく1年越しでの開催で、講演してくださったのは、(一財)進化生物学研究所 主任研究員の山口就平さんです。
ブータンシボリアゲハは、1933年に発見されて以来、標本は残っているものの、生態が未解明な幻の大蝶で、「ヒマラヤの貴婦人」とも呼ばれているそうです。2011年8月、山口さんが所属する日本蝶類学会のメンバーと撮影スタッフ、現地ブータン側のメンバーで「ブータンシボリアゲハ学術共同調査隊」が結成され、約10日間の調査で再発見と生息地の特定、交尾と産卵状況まで確認したとのお話でした。
同年11月、ブータン国王が来日した際に、友好の証として日本の調査隊に2個体の標本が寄贈され、1つは東京大学総合研究博物館に、もう1つは進
化生物学研究所に贈呈されました。今日の講演会では、山口さんが研究所から標本の現物を持ってきてくださり会場に展示しました。蝶好きにはたまらない至福のひと時になったのではないでしょうか。
山口さんはお帰りの際、現在開催中の企画展「身近な昆虫、ここが面白い!」をご覧になりました。企画展で展示している標本の大半は、進化生物学研究所からお借りしているので、興味のある方は、企画展の方も是非ご覧ください。