2021年05月09日
ブログで紹介 ~ 企画展「身近な昆虫、ここが面白い!」(その2)
みなさん、こんにちは。
緊急事態宣言が延長されて、けやき館も休館が続いていますが、いかがお過ごしですか?
本来なら開催しているはずの企画展「身近な昆虫、ここが面白い!」では、瑞穂町周辺に生息している虫たちのなかで、面白くて不思議な生態をもつ昆虫たちにスポットを当てながら、身近にいる昆虫の「知られざる一面」を、パネル・写真・標本・絵本原画などを用いて、幅広く紹介しています。
今回のブログでは、「不思議な生態をもつ昆虫」について紹介します。実はこのテーマこそ、企画展でみなさんに一番見ていただきたい‼ と展示担当者としては思っています。不思議な生態の昆虫パネルは全部で7種類あり、今回はそのうちの3つを紹介します。
・イラガセイボウ‥‥‥‥「美しく、刺さないハチ」はどう生きる?
・シンジュキノカワガ‥‥美しき「偶産蛾」
・チャイロスズメバチ‥‥スズメバチの巣を乗っ取るスズメバチ
イラガセイボウは、イラガというガに寄生することから名付けられました。このハチは、毒針を持たず、人を襲いません。メスがイラガの繭の中に卵を産み付け、幼虫はイラガの前蛹を食べて成虫になります。イラガセイボウの体は、青や緑の金属光沢をもっていて、まさに「美しく輝く宝石蜂」なんです。
シンジュキノカワガは、中国南部原産のガで、低気圧や前線などの気候要因で日本に飛来してきます。幼虫の食草がシンジュ(別名ニワウルシ)の葉で、この樹木も外来種です。輝く銀色の前翅と鮮やかな黄色が入る後翅を持ちあわせる美しいガで、文字通り「風と共に来たる大陸産のエキゾチックな姿」をしています。
チャイロスズメバチは、オオスズメバチと比べるとやや小型で、体全体が茶色っぽい色をしています。この女王バチは自ら巣を作らず、モンスズメバチやキイロスズメバチの巣を乗っ取ることで、自らの子孫を残します。その過程も興味深く、チャイロスズメバチの女王が元々巣にいる他の女王バチを殺し、他種の働きバチに自分が生んだ子を育てさせつつ巣を乗っ取ります。その生態は、「戦闘モード全開なギャング蜂」と言っても過言ではありません。
また、このコーナーの標本の展示では、大きさ1㎜ほどのテントウムシを拡大鏡で見てみたり(よく見ると、ちゃんと星が分かります!)、美しく輝く昆虫を集めた「昆虫の宝石箱」も展示しています。
企画展の関連イベントで、5月22日(土)に実施を予定していたギャラリートークは、6月5日(土)に延期となりました。緊急事態宣言が解除されて再び開館となりましたら、みなさんのご来館をお待ちしていますので、是非いらしてください。