TEL.042-568-0634

開館時間
9:00〜17:00
休館日
第3月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休館日

ブログ

20210605

ブログで紹介 ~ 企画展「身近な昆虫、ここが面白い!」(最終回)

みなさん、こんにちは。

六月になり、梅雨入りが近づいてきましたが、いかがお過ごしですか。

けやき館は今月から開館し、企画展「身近な昆虫、ここが面白い!」の会期は7月4日(日)まで延長することになりました‼(‥‥内心、ホッと安堵しております‥‥)

この企画展では、瑞穂町周辺に生息している虫たちのなかで、面白くて不思議な生態をもつ昆虫たちにスポットを当てながら、身近にいる昆虫の「知られざる一面」を、パネル・写真・標本・絵本原画などを用いて、幅広く紹介しています。

「ブログで紹介~」の最後となる今回は、「危険な外来種」と「狭山丘陵の異変」についてです。私たちの身近には、すでにさまざまな外来種が生息しています。国は外来種の中でも、在来の生物を圧迫したりして生態系を損ねたり、農林水産業に被害を与えたり、その恐れがある生き物を「特定外来生物」に指定しています。今回の展示では、近年になってから国内に侵入した外来種だけを集めた標本箱も展示しています。

 

アカボシゴマダラは、中国大陸から持ち込まれ人為的に放蝶されたと考えられる繁殖力が強いチョウです。狭山丘陵においては、日本の国蝶でもあるオオムラサキと幼虫の食草が同じエノキなので、競合しながらオオムラサキなどの生存を圧迫しているのではないかと考えられています。

 

クビアカツヤカミキリは、瑞穂町内では未確認なものの近隣自治体では確認されており、幼虫がサクラ・ウメ・モモなどバラ科の樹木内部を食い荒らし枯死させる恐れがあります。ソメイヨシノの被害割合が高いことから、近い将来お花見ができなくなってしまうかも!と想像するだけでも心配です。

 

ところでみなさんは、「ナラ枯れ」という言葉を聞いたことがありますか? ここ数年、9月頃になると狭山丘陵の中で葉が枯れている樹木が見られるようになっています。これは、病原菌を持ったカシノナガキクイムシ(体長5㎜程で茶褐色をしています)というコウチュウが、樹木に穴をあけ集団で穿入(これを「マスアタック」といいます)し、菌糸を木の内部に広げてしまうためです。ナラ類・シイ類・カシ類に被害が大きく、狭山丘陵では、すでにコナラの被害が確認されています。葉が赤茶けていたり、樹の根元に木くずと糞が混ざったフラスという粉状のかたまりが散乱していた場合は、カシノナガキクイムシによる「ナラ枯れ」の可能性があります。

今回の企画展を通して、身近な昆虫や身近な自然について、みなさんに少しでも関心や興味を持ってもらえれば、というのが展示担当者としての願いです。開館し会期も延長されましたので、みなさんのご来館をお待ちしております。

また、延期されていたギャラリートークを6月5日(土)14時から開催します。瑞穂自然科学同好会のメンバーが、昆虫ワールドを熱く語りますので、どうぞお楽しみに!

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