2020年05月07日
ブログde万葉集と山野草 番外編Ⅳ
皆様、大変お待たせいたしました。
番外編Ⅳのお時間です。
万葉集と百人一首にスポットをあてた残りの二首のご紹介です。
万:あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む
思わないようにしていても、思われてどうにもならずに、山鳥(やまどり)の尾のように長い、この夜を過ごすのです。
百:あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
山鳥の尾の、長く長く垂れ下がった尾っぽのように長い夜を(想い人にも逢えないで)独りさびしく寝ることだろうか。
万葉集では詠み人知らずとなっていますが、百人一首では柿本人麻呂の作とされています。
万:田子の浦従 うち出てみれば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける
田子の浦を過ぎて仰いで見ると、真っ白な富士の高嶺が見える。高嶺に今雪が降り続いている。
百:田子の浦に うち出てみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ
田子の浦に出かけて、遙かにふり仰いで見ると、白い布をかぶったように真っ白い富士の高い嶺が見え、そこに雪が降り積もっている。
両方とも作者は山部赤人です。柿本人麻呂と並んで万葉集を代表する歌人である。大伴家持は、柿本人麻呂、山部赤人を並べ立てて「山柿の門」という言葉を使ったそうです。
この「田子の浦~♪」ですが、妙に耳に残り、百人一首では絶対札を取ろうと思う歌ですよね? え?私だけ?
実は私の十八番は「ひさかたの ひかりのどけき~♪」紀貫之の歌なんですねー。子供の頃に覚えた物って忘れないものです。