2021年02月25日
企画展「ひなまつり展2021」のご紹介② ~松本のお雛様 1~
みなさんこんにちは。
企画展「ひなまつり展2021」のご紹介の第2回として、展示されている地域のお雛様についてお話したいと思います。
〇松本のお雛様 1
長野県松本周辺では、この辺りとは少し違った風習があります。展示では、松本押絵雛、七夕雛を飾っています。
・押絵雛
松本周辺では、旧暦の桃の節句である4月3日に「月遅れのひな祭り」を行う風習があります。
寒い地域では、しばしば旧暦に雛祭りを行うことがあります。それは、寒い地域では桃の花が咲くのは4月頃であり、桃の花の開花に合わせた風習といえるでしょう。
〈松本押絵雛〉
松本の押絵雛は江戸時代、武家の女性の趣味や習い事として始まったとされています。浮世絵風の面長な顔立ちが特徴的です。
〈押絵雛の裏面〉
押絵雛の裏側を見ると、「元絵 三村隆重 / 面相 三村和子」と書かれています。このお二人は、松本で押絵雛の技術を復活させたベラミ人形店のご夫妻です。
実は、松本の押絵雛は明治時代にいったん途絶え、昭和30年代より博物館や民家などに残る押絵雛を参考に復活させたといわれています。つまみの技術を修得するため、東京の羽子板職人に弟子入りしたそうです。
ちなみに、店名のベラミはフランス語で「美しい友達」だそうです。現在は三村隆彦さんがお店を継いでいます。