2021年03月05日
企画展「ひなまつり展2021」のご紹介⑥ ~地域に残るお雛様 1~
みなさん こんにちは。
企画展「ひなまつり展2021」のご紹介の第6回として、各地に伝わる雛人形についてお話したいと思います。
〇地域に残るお雛様
・お守りとしてのお雛様
お雛様の中には、神社などで授与されるものもあります。
例えば、淡島神社の守雛や熊野速玉大社(新宮)のなぎ人形、青島雛は、お守りとして今でも授与されています。そもそもお雛様は、玩具(おもちゃ)というよりは、お守りとしての役割が強かったそうです。
〈淡島神社の守雛・絵馬〉
〈なぎ人形〉
〈青島雛〉
〈平家雛〉
赤間神社、平家雛のお雛が抱かれているように見えるのは、安徳天皇を模したからでしょうか。
・流し雛
郷土の雛といえば、流し雛を思い浮かべる方がいるのではないでしょうか。
特に春の風物詩として、多くの観光客が訪れ、イベントとなっているところもあるようです。
先にも触れたように、雛人形はお守りとしての役割もありますが、それは神社などで配られる、穢れをうつす人形(ひとがた)の風習が雛祭りの元にあるとされているからです。
特に流し雛は、川に自身の穢れ、災厄を流すという風習のため、穢れを祓うという元来の形に近いお雛様と考えられます。
〈流し雛(鳥取県用瀬)〉
〈粉河流し雛〉
和歌山県和歌山市加太の淡島神社は、雛流し、人形供養の神社として有名です。粉河で行われる流し雛も、紀ノ川を流れ、河口に近くあるこの淡島神社へ流れると考えられていたそうです。