2021年03月02日
企画展「ひなまつり展2021」のご紹介⑤ ~段飾りいろいろ~
みなさんこんにちは。
企画展「ひなまつり展2021」のご紹介の第6回として、段飾りについてお話したいと思います。
雛祭りのお人形といえば、「段飾り」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
特に七段の段飾りとなると、骨組みの組み立てから、小さな道具、人形の順番に至るまで、年に一度の大作業を四苦八苦しながら準備なさったことと思います。
〇木組みの段飾り
〈木組みの段飾り〉
少し変わった段飾りですよね。今から55年ほど前の段飾りです。
ちなみに、二段目の内裏雛と三段目の三人官女は贈り雛で、それ以外の人形は娘さんが生まれた時のお祝いだったそうで、所沢市や狭山市で購入されたものです。
段飾りというと、お内裏様に三人官女…と続く、十五人飾りと比べると、随分異なります。
しかも、この段は木組みの段で、釘を使わず設置できます。
〈裏から見た木組み〉
実はこの木組みは、旧蔵者の家の隣の大工さんに作ってもらったものとのことでした。
この段に内裏雛や舞踊人形(汐汲や藤娘)などを並べて段飾りとします。
ですので、十五人飾りのような並び方にはなりません。
昔の雛祭りの写真を見ていると、このように方々からいただいた人形を段に飾っていく姿を目にすることがあります。
〇十五人飾り
〈七段十五人飾り〉
これぞ「雛人形」と思う方も多いと思います。
この雛人形は、平成4年購入と聞いていますので、割と新しいものでしょう。
この頃は大手の人形店の雛人形を買い求めることが多く、この雛人形も「秀月」で買い求めたものとのことです。
この段飾りは、一般的な十五人飾りではなく、四段目に舞を舞っている人形がいます。
「胡蝶」という舞楽の演目の一つで、鈴をもって二人一組になって舞っています。
七段だけあって、とても存在感があります。
〇最近の段飾り
〈三段飾り〉
最近の段飾りは住宅事情なども反映され、少し小ぶりだけど豪華な雛人形が人気のようです。
こちらも三段の段飾りですが、とても重厚感があります。でも、組み立てはかなり簡単です。
やはりこちらも、大手の人形店、「久月」の雛人形です。
このように、段飾りを見るだけでも時代の違いが感じられますね。
どの雛人形も子供の成長を願うものですが、少しずつ求められるものが変わっているのがよくわかります。