2021年02月23日
企画展「ひなまつり展2021」のご紹介
みなさんこんにちは。
現在開催中の企画展「ひなまつり展2021」については、2月16日の当ブログ「ひなまつり展今年も開催しています」で紹介しましたが、お伝え出来なかったことを数回に分け、ご紹介します。
〇小峰家の雛人形~箱書きに注目~
明治7年(1874)のお雛様。立派ですよね。高さを測ってみたら、約25cmでした。
古風で、整った顔立ちのお雛様といえましょうか。
今回はお雛様だけでなく、お雛様をしまった箱に注目します。
古いお雛様をしまう箱には、いつ、だれが贈ったのか、その由来が記されていることがあります。
・誰のための雛
これは箱の側面部分です。次のように読めます。
「明治七戌三月三日求之 / 新藤 / さ乃」 「/」は改行
このお雛様が新藤さ乃(サノ)さんが生まれた際、購入したお雛様であることがわかります。
サノ氏は後に小峰家に嫁いで、このお雛様も小峰家へ引き継がれました。
・どこで、だれが買った雛
これは蓋の裏書部分です。
「東京本石町ニて / □代目 新藤金四良買求…」
新藤金四良(郎)は、所沢市糀谷の名家で、サノ氏の実家に当たります。
東京府本石町は現在の日本橋本石町にあたり、雛市が立ったといわれる十軒店(じゅっけんだな)があったところです。
箱の裏側には次のような箱書きがあります。
「代金力両候也」と書かれているように見えますが、判然としません。
こちらでは「明治七戌二月求」とあるので、新藤氏が本石町で買い求めたのは実際には二月だったことがわかります。
このように、雛人形は人形も大切ですが、納めている箱も由緒を示すものとして大切なものなのです。
企画展「ひなまつり展2021」の紹介、また続けていきたいと思います。