2019年10月21日
第111回温故知新の会「絣板職人の語る村山大島紬と絣板のしくみ」
みなさん こんにちは。
先日、第111回温故知新の会 地域の産業に関する講演会「絣板職人の語る村山大島紬と絣板のしくみ」が開催されました。
講師は元絣板職人の坂田勝長さんです。
講師の坂田さん
村山大島紬といえば、瑞穂町の伝統産業として知られていますが、着物文化が遠のいた現在では生産はできなくなっています。
今回はそんな村山大島紬の「絣板のしくみ」にこだわった講演会です。
絣板は村山大島の特徴である“精緻な柄”と“生産の効率”を両立させる、大切な役割を果たしました。絣板を彫るための板図案には、多くの工夫がこらされています。
一つ紹介すると、経糸の絣板には柄の「ミミ」と呼ばれる部分があります。柄と柄との間の部分で、絣板職人の方はこの「ミミ」の部分を一枚一枚ずらしながら縦板を彫っていました。もし「ミミ」の部分を柄の同じ高さの位置に設けていますと、同じ箇所に染まらない筋が生まれてしまうためです。
坂田さんからは柄をどのように絣板に移していくか、道具の説明など、細かく丁寧に説明してくださいました。
続いて、もう一人の講師、文化財保護審議会の平山会長が絣板で染めた糸がどのように織物になっていくか説明してくださいました。平山会長は元機屋さんで、経験を交えながら絣板で染められた糸が織り上げていくまでを映像や実演を交えながら説明をされていました。
解説をする平山さん
来場された方は、坂田さんの出身である石畑地区の方が多かったため、和やかな雰囲気で講演会が進みました。映像を見ながら、「この光景は昔見たな」とおっしゃる方も。
最後には織物組合が作曲し、よく歌われた村山音頭を合唱して締めくくりました。
次回の温故知新の会は、10月27日(日)の第110回 温故知新の会「東京狭山茶手もみ実演」(第2回目)です。13日に続き、貴重な狭山茶の手もみ実演を見ることができます。予約にはまだ若干余裕があります。ぜひご参加ください。