2021年11月21日
第160回温故知新の会 郷土歴史講演会「資料にみる狭山茶」
みなさん、こんにちは。
明日は二十四節気の一つ「小雪」。本格的な冬が目前ですが、いかがお過ごしですか。本日けやき館では、第160回温故知新の会で「資料にみる狭山茶」と題する郷土歴史講演会を実施しました。この講演会は、現在けやき館で開催中の企画展「瑞穂の狭山茶」の関連イベントの一つとして行われました。講師は、企画展を担当した当館学芸員の北爪寛之です。
狭山茶と言えば、「色は静岡 香りは宇治よ 味は狭山でとどめさす」の里謡は、地元ではあまりにも有名ですね。今日の講演会では、誕生からおよそ200年の歴史をもつ狭山茶について、江戸時代後期から明治時代初期にかけて、遺された史・資料を用いながら、誕生から広がり・発展を追っていきました。
1800年代前半、京都の宇治茶の製法を取り入れて、狭山茶の技法を生み出したのは、地元の村野盛政と吉川温恭(よしずみ)でした。やがて明治時代になると、茶は生糸と共に主要な輸出品となります。
こうした中で、地元で茶に関わる人びとは、ただ茶を作るだけでなく、いかにして狭山茶を広めブランド化して定着させるかということに腐心したようです。町内の狭山神社境内に建つ「狭山茶場之碑」には、建碑に関わった人物の名が総勢218人も刻まれています。人脈によるネットワーク作りが、いかに大切かが解ります。普段、何気なく飲んでいる狭山茶にも、大変な苦労と努力があったのですね。
企画展「瑞穂の狭山茶」は12月5日(日)まで開催しています。また、館内では展示図録も販売しています。
展示・図録ともども、ご覧いただきたいと思いますので、けやき館へのご来館をお待ちしています。