2021年05月26日
Re 万葉集と山野草 ~ねぶ~
ねむの木(ネムノキ)の花は初夏6~7月に開花する、水鳥の産毛のようなふわふわとした淡いピンク色の可愛らしい花です。
この花を詠んだのが、モテモテ大伴家持の年上の友人‘紀郎女’です。
バツイチの紀郎女は、歌の上での恋の駆け引きを家持とするほど気心の知れた仲だったといわれています。
ねんねの ねむの木 眠りの木
そっとゆすった その枝に
遠い昔の 夜(よ)の調べ
ねんねの ねむの木 子守歌
薄紅(うすくれない)の 花の咲く
ねむの木蔭(こかげ)で ふと聞いた
小さなささやき ねむの声
ねんね ねんねと 歌ってた
故里(ふるさと)の夜(よ)の ねむの木は
今日も歌って いるでしょか
あの日の夜(よる)の ささやきを
ねむの木 ねんねの木 子守歌
こちらは美智子上皇后様がお書きになった詩。
千年の時を経て、ねむの木は歌い継がれている・・不思議な感じです。