2021年05月23日
Re 万葉集と山野草 ~番外編 小満~
5月21日は二十四節気の小満。
草木枝葉がすくすく育つ頃で初候(節気を約5日で分けた第一のもの)は、『蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)』で孵化した蚕が桑の葉を盛んに食べて成長する時期とのこと。
今では桑畑も見られなくなりましたが、養蚕は古くから日本で行われており、この瑞穂町でも明治以前、箱根ケ崎で90余戸の家で養蚕をしていた記録があります。
たらちねの 母が飼ふ蚕の 繭隠り いぶせくもあるか 妹に逢はずして
作者不詳 巻十二 二九九一番
(訳)たらちねの母が飼う蚕が繭ごもりするように、妻に逢えないままだと 心がこもってうっとうしい
恋人に会えない鬱鬱とした気持ちを、蚕が繭にこもる様子にたとえたものです。
けやき館の常設展示には養蚕農家の模型なども展示しております。また隣接する耕心館は養蚕をしていた面影を残す建物となっておりますので、緊急事態宣言解除後、このブログを思い出しながらご来館ください。