2024年04月14日
狭山丘陵 春の探鳥会を実施しました
4月13日は朝から爽やかな晴れ空が広がり、絶好の探鳥会日和でした。
今回も日本野鳥の会 奥多摩支部会員の名執修二さんを講師に、さらに自然保護協会会員の菅沼さんのサポートをいただき、野山北・六道山公園の赤坂谷戸から公園管理所(インフォメーションセンター)、展望デッキ、エヶ入(えげいり)谷戸まで往復するコースを回りました。
今回は幸先のよいスタートで、最初に双眼鏡をのぞく練習をしている時に、なんとオオタカが赤坂谷戸の上空に現れました!
するとカラスが集団で騒ぎ出し、オオタカに対しモビング(擬攻撃)を行っている様子が観察できました。
<写真の矢印の先にうっすらとオオタカの姿が写っています>
その後は主に聞こえてくる様々な鳴き声から、その鳥のイラストを見せていただきながら解説を受けました。
<関連する鳥の姿はイラストで確認しました>
鳴き声の他にも、アオゲラのドラミング音をエヶ入谷戸の背後で頻繁に聞くことができました。
耳が慣れてきたところで、全員無言で耳を澄ませるバードリスニングも体験しました。
そして、マヒワの集団がコナラの若葉についた蛾の幼虫をついばんでいる様子を探していたところ、探鳥会の終了直前に観ることができました!
この日の探鳥会で、実際に姿を見られた種は順にオオタカ、カラス、アオジ、マヒワなどで、
鳴き声が聞けた種は他にウグイス、ヤマガラ、コマドリ、ガビチョウ、アオゲラ、シメです。
これからの爽やかな季節に、あなたも鳥の観察に出かけませんか?
2024年04月09日
「昆虫標本展 ~人と昆虫~ 」が始まりました
みなさん、こんにちは。
けやき館では、4月5日からエントランスホールにて、「昆虫標本展~人と昆虫~」を展示しています。昨年の企画展「昆虫のふしぎ、ここがすごい!」でもお世話になった岡部廣さんから、22箱もの標本箱をお借りすることができました。
定番のカブトムシ・クワガタムシをはじめ、チョウ・ガ・ハエ・カイコ・セミ・コガネムシなどなど‥‥。所狭しと標本箱が並んでいます。
この他にも今回のテーマ「人と昆虫」にちなんで、切手に描かれた昆虫、蜂蜜とミツバチ、トンボと日本酒など、私たち人間の暮らしと密接にかかわってきた昆虫を紹介しています。そして何よりも見ていただきたいのが、標本箱の美しさ‼昆虫たちが整然と並んでいる様は圧巻です。
さらに今回の提示では、岡部孝司氏が撮影した昆虫写真も20点展示しています。
たくさんの昆虫標本と美しい昆虫写真を是非見にいらしてください。会期は5月26日(日)までです。
なお、5月のゴールデンウイーク中に、岡部廣さんがギャラリートークをしてくださることになりました。日時は、
5月3日(金・祝)・5月6日(月・振休)
両日とも14時から15時
になります。みなさんのお越しをお待ちしております。
2024年04月07日
瑞穂ふるさと大学、入学説明会!!
平成30年に活動開始した瑞穂ふるさと大学を知っていますか?
コロナ禍により、しばし活動が停止していましたが、この度新たな要項で再出発することとし、本日改めて入学説明会を実施しました。
入学希望者には、よくある大学のように学生番号を付与し、学籍・研修歴カードをお作りします。研修年度は4月からの1年間です。
郷土資料館が主催する事業に参加することで単位を取得できる仕組みです。特に、郷土資料館の「温故知新の会」や「囲炉裏端で語る昔話」の年間計画は既に大枠を決めていますので、ご興味がある方は予定を合わせてぜひご参加ください。
また、自身の研究テーマを決め、活動いただくことも可能です。
最初に友野図書館長から挨拶をいただき、事務局・講師の滝澤福一先生による経緯・制度の説明や講師陣の紹介の後、3人の先輩受講生から、これまでには実際にどのような活動をしてきたかなどの発表がありました。
最後に、滝澤先生から「瑞穂町2万年の歴史(概論)」のダイジェスト版の講和がありました。
町内外から、21名の参加者が熱心に聞き入っていました。
皆さんも自身の学びを広げ・深めるために、瑞穂ふるさと大学にぜひご参加ください。
2024年04月05日
ジオラマの修理。。。展示物を大切に扱いましょう
郷土資料館の「瑞穂の自然」のコーナーに、狭山丘陵の雑木林のジオラマがあります。初夏から夏にかけて見られる様々な生き物が、あちらこちらに潜んでいます。
残念なことに、いくつかの展示が壊されてしまっていました。植物の葉や花、昆虫の翅などが引きちぎられていたりなど…
今回、ジオラマの中にわけ入り、修理を行いました。
<葉の修理はなかなか難しいです>
<落ちてしまったナナフシモドキをテグスで吊ることにしました>
<どの部分を修理したか、わかりますか?>
修理できるならいいだろう、ということではなく、展示物は基本的には触れることなく、大切に見てもらいたいです。十分に修理できないものもあります。
それにしても、ジオラマの中では本当に森林の中にいるように見えますね!
今回修理された部分が自然に馴染んでいるか、郷土資料館の展示室でぜひご確認ください。
昨年の昆虫展でもお世話になりました岡部廣さんによる「昆虫標本展 人と昆虫」が4月5日(金)より、いよいよ始まります。
「これ、全部飾るんですか?」と聞かれるぐらい、多くの標本箱と写真をお持ちいただきました。
<ずらっと並んだ標本と写真>
エントランスから入って左のスペースに、皆さんに数多く見ていただけるように、配置を工夫しながら設営していきます。
<写真をこのスペースに並べます>
写真の入った額縁をまっすぐ掛けるのは、意外にとても難しいです。
<真剣な作業>
設営準備をしている最中にも、来館者の方が興味津々で見ています。
<美しい蛾に興味津々>
分類別・テーマ別で楽しくまとめられた標本と美しい写真の数々を、ぜひご覧にお越しください。
展示期間は5月26日(日)までです。
2024年04月02日
パネル展 『源氏物語』に詠まれた万葉の草花
みなさん、こんにちは。
桜が徐々に咲き始め、カタクリの花も見頃を迎えました。
今日から4月。新年度のスタートですね。
けやき館では、パネル展「『源氏物語』に詠まれた万葉の草花」が始まりました。
毎年この時期にはパネル展「万葉集と山野草」を開催していますが、今年はテレビドラマで話題の紫式部とコラボレーションして、『源氏物語』の中で詠まれた和歌から、万葉の草花を用いた10首の歌をパネルと写真で紹介しています。
光源氏・紫の上・明石の君などなど、有名な登場人物たちが詠んだ和歌と、森林インストラクターの久保田鷹光さんが撮影した美しい草花の写真をどうぞご覧ください。
会期は6月2日(日)まで、会場は2階展示ギャラリーです。
では最後にクイズです。紫式部は『源氏物語』の中で、およそどれくらいの和歌を詠んでいるでしょうか?
① 約100首 ② 約200首 ③ 約400首 ④ 約800首
正解は展示会場にて!
みなさんのお越しをお待ちしております。
2024年04月01日
開花目前!白いカタクリを探そう
新しい年度がスタートしましたね。今年のカタクリの全体の見ごろは先週の週末で、多くの人で賑わいました。
〈さやま花多来里の郷〉
一方、幻の白いカタクリの開花は明日以降になりそうです!
下の写真の中に、白いカタクリのつぼみがあるのを見つけられますか?
<カタクリの群落>
もう少しクローズアップしてみましょう。
<白いカタクリは柄に注目>
花の柄が、普通のカタクリは赤っぽい色が入るのに対し、白いカタクリはきれいな緑なのが特徴です。これは通常の色素が作られないためで、出現するのは数万本に1本の頻度といわれていますが、瑞穂町のさやま花多来里では何と2株、近い場所で見つけることができます。
白いカタクリの花言葉は「私は特別」「本当の姿を見て」「きまぐれ」だそうです。
あなたも白いカタクリを探しに出かけませんか?
2024年03月17日
第215回 温故知新の会「神仏に出会う旅ー社寺参詣の文化と瑞穂ー」
本日は第215回 温故知新の会「神仏に出会う旅ー社寺参詣の文化と瑞穂ー」を開催しました。
本日の講師は、当館学芸員の関口健氏です。
日本民俗学を専攻し山岳宗教史などを研究している関口氏が、さまざまな資料写真を見ながら社寺参詣に関わる話をしました。
「一 江戸の富士塚」とはどのようなものかというところからはじまり、「二 瑞穂にもたらされた札や護符」、「三 町内の石造文化と社寺参詣」と、瑞穂町の身近にある文化財や、当館で所蔵の古文書などからも分かる参詣の形やルートの話、最後には「四 社寺参詣と鉄道 」と御嶽山のケーブルカーの話まで。関口氏のお勧め観光ポイントや少年時代の遠足の思い出なども良かったですね。1時間半、ギュッと濃密につまった大変興味深く面白いものでした。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
こんにちは。
企画展関連展示「瑞穂の匠」より、引き続き見どころを選んでお伝えします。
最終回はパッチワークの鈴木貞子さんの作品を紹介します。
パッチワークは大きさや形、色や柄の異なる布やきれを縫い合わせる技法ですが、手間がかかるため、一つの作品を製作するのがとても時間が必要です。
こちらの作品は「アラベスク」です。
アラビア風(アラビア風植物模様)ということですが、青がとても鮮やかで、唐草模様で全体が構成されています。
幾何学的で何だかエキゾチックな模様ですがアップで見ると…。
〈アラベスク〉
〈アラベスク、右側アップ〉
〈アラベスク、右下アップ〉
このように見ると、実に細かい仕事ということがわかるのではないでしょうか。
続いて、「四重奏」です。
4つのモチーフを、配色を変えながら組み合わせ、一つの模様としています。
〈四重奏〉
こちらもアップしてみましょう。
〈四重奏、右側アップ〉
〈四重奏、中央アップ〉
瑞穂の匠の作品紹介は以上です。
また来年の瑞穂の匠もご期待ください。
こんにちは。
今回も開催中の企画展「ひなまつり展2024」より、「爲國(ためくに)さん家(ち)の雛飾り」の一部を紹介します。
今回は最終回ということで、「爲國さん家の雛飾り」の原点になる雛飾りを紹介します。
この掛軸は、爲國さんのお宅に伝わってきたものです。
〈立雛掛軸〉
いつ描かれたものかはわかりませんが、気品ある顔立ちの立雛です。爲國さんにとってのコレクション第1号とも呼べるものでしょう。
雛祭りというと今はお人形を思い浮かべますが、絵をまつることも多かったようです。
こちらの木目込み人形は、爲國翠子さんの生まれる前に買われたそうです。
その後も守り雛として大切に飾られているとのことです。
〈木目込み人形〉
コーナーの一角にも展示していますが、今回の展示で産地や購入場所が分かったものを地図に落とし込んでみました。
〈爲國さん家の雛飾りマップ〉
いかがでしょうか。北は北海道から南は鹿児島まで、まさに日本全国に散らばっています。
もちろん、これらは爲國さん所蔵の雛飾りの一部ですが、この地図を見るだけで旅をしている気分になれませんか。